[楽典]5:純正律

[純正律]

純正律とは…

次から説明する「純正音程」をもって音階を構成する方法です。

純正音程

純正音程とは、2つの音の振動数が整数の比になっている音程のことです。

人間の耳は、2音の振動数の比が簡単なほど協和して感じます。

例えばオクターブは振動数の比が1:2です。

なので、ほかの音と合わせた時よりも、協和して聞こえます。

協和して聞こえる音程、つまり協和音程がどのような比になっているか図で見てみましょう。

度数の前についている言葉は、あとの[音程]の記事で解説するので今はさらっと流しておいてくださいね。

上から順に、ドとド(同じ音)、ドと1オクターブ上のド、ドとソ、ドとファ、ドとミ、ドとミのフラット、ドとラ、ドとラのフラットとなります。

ドから上がっていく順番で言い直すと、ド・(ミのフラット)・ミ・ファ・ソ・(ラのフラット)・ラですね。

ハ長調の音階、ドレミファソラシドになるには()の中の音がいらず、またレとシが足りないので。

()の中の音を消して、レとシを足した音階の振動数の比率がこちらになります。

振動数が次に紹介する十二平均律よりも簡単で、つまりはこの調性で演奏するなら平均律とは比べ物にならない、とてもきれいな響きに聞こえるわけです。

そして、「この調性で演奏するなら」きれいな響きである。

ここが純正律の大きな欠点になります。

純正律では、ドとレ、レとミでは違った振動数の比になります。

つまり、違う調性で演奏した場合には音がだいぶ変わって聞こえてしまうのです。

このため今は次回の楽典記事で解説する十二平均律が普及しています。

でもそれほどまでに美しい響きなら、一度は聴いてみたいですね(^^)

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