この記事では楽音の性質を決める3つの要素についてお伝えします。
前回の記事「音の種類」でお話しした楽音には、限りなく多くの種類があります。
そして、それらの性質は高さ・強さ・音質の3つの要素によって定まります。
1つずつ見ていきましょう。
1)高さ
音の高さは、振動の速さによって決まります。
振動が速いほど音は高く、遅いほど低く感じられます。
高い音
低い音
通常は、1秒間に振動する数をヘルツ(Hz)という単位で表します。
余談ですが、人間に聞こえるのは低い方の限界で15〜20Hz、高い方の限界では10000〜20000Hzだそうです。
よくある猫よけの超音波装置が18000〜20000Hzあたりですから、高い音を聞き取りやすい人には意外と聞こえているんですよね。
2)強さ
振動のエネルギーの大小と、その振動の周り(の空気)への伝わる程度によって決まります。
図で見てみましょう。
強い(大きな)音
弱い(小さな)音
さっきの音の高さの時は、振動の横の長さが変化したのに対し、強さの場合は縦の長さが変わります。
この縦の長さを振幅といいます。
そして、音の大きさは振幅のほかに、音源の大きさ・形状・振動の方向などによっても左右されます。
例えばスピーカーがこっちを向いているかどうかでも違うでしょうし、ピアノまでの距離は同じでも向きによって聞こえる大きさは違いますよね。
3)音質(音色)
波形、つまり倍音の含まれ方、および波形や振幅などの時間的変化が複雑に関係してきます。
「音の種類」の楽音のところで載せた図は、倍音が混ざっていることがわかりやすいように分解してありましたが元の波形はこちらになります。
純音の波形(正弦波)とは波の形が違いますよね。
このように波形が違う(倍音が含まれている)と、音質の違いとして認識されます。