水の戯れ

こんにちは😊

所沢市小手指の「かのんピアノ教室」の講師でピアニストの大竹久美です♪

毎年夏から冬にかけては、音楽を学ぶ人にとってはコンクールシーズン。

私もコンクール伴奏のピアニストとしてフルートや声楽、ミュージカルなど様々な楽器の方といろんな音楽を奏でさせてもらっています。

それと並行して、今年は秋のリサイタルに向けてのソロ曲の準備にもとりかかっています🎹

そのなかの一曲、モーリス・ラヴェル作曲の「水の戯れ」という曲について今日はお話ししようと思います😊

ラヴェルってどんな人?

まずは作曲家のラヴェルについて。

彼は一言でいうと「かなり完璧主義な人」でした。

こちらがM.ラヴェル。なかなか神経質そうな顔をしていますよね(失礼)。

音のひとつひとつについて、緻密な計算をして組み立てて作る人で、その精密さからストラヴィンスキーという別の有名な作曲家から「スイスの時計職人」と評されたのは有名な話。

その完璧主義は音楽だけにとどまらず、ファッションにおいてもとってもうるさい人だったんです。

たとえばアメリカツアーをした時のこと。

持ち込んだ荷物のほとんどが衣服で、特にネクタイはなんと57本も持っていったんだそう。

相当なおしゃれさんだったんですねぇ😆

しかもその特注のネクタイがラヴェルの理想より1センチ以上長かったために大騒ぎになり、結局知人のシュミッツ夫人が慌てて57本すべての手直しに追われたそうです。

常に流行の最先端のおしゃれを身にまとっていたというラヴェル。

とても感性の鋭い人だったんでしょうね。

水の戯れの精巧さ

そんなラヴェルなので、彼のピアノ曲での代表作「水の戯れ」もとても精巧に作り上げられた曲でした。

一度聴くと「まるで水の音みたい!」と感じるキラキラしたとても美しい曲なのですが、この「水のような雰囲気」を作るのにとても計算されているんです。

メロディには「長7度」という、それまでの時代ではあまり使用されなかった和音が混ぜられています。

あえてすっきりしないこの音を入れることで、水のきらきらした眩しさを表しているんですね✨

さらに和声法では禁止とされている「連続完全5度」という、少し違和感を感じる和音や、日本を感じさせるような「5音音階」というものもよく使われています。

少し神秘的だったり、水の浮遊感みたいなものが感じられる音の使い方になっています。

演奏していると、感覚で音を選んでいるのではなく「この和音を使えば、水のこの質感が表現できる」という確かな計算のもとに音符が選ばれているのを感じます。

超絶技巧がたくさん

この曲はピアノという楽器の限界に挑んだ超絶技巧の曲でもあります。

両手が交差したり、鍵盤の端から端まで高速で駆け上がったりと目まぐるしく動き、右手で8つの音符、左手で6つの音符(または5つなど)を同時に弾くような割り切れないリズムがたくさん出てきます。

シャープやフラットのような臨時記号もてんこもり。

譜読みの難易度でいうとカプースチンに似たようなものだと思います。

予想に反して和声が解決しないから、なかなか手に馴染んでくれないんですよね。

油断すると左右の手がぶつかりそうなくらいなのですが、楽譜通りに完璧に指を動かすことで初めて「水のざわめき」や「飛び散る水飛沫」がリアルに立ち上がるように設計されているので、ピアニスト泣かせな曲なのではないかなと思います😅

あと、高い音が多いので常に右重心。

私もこの曲を演奏し始めてから股関節がゆがんでしまい、新たに股関節のストレッチを日々のルーティーンに加えました😆笑

腹筋を鍛え直さないといけないですね。

…と、そんな感じで難易度は高めだと思います。

実際ピアノピースでは最高ランクのF、一般的には8段階中の「8(上級)」なんだそう。納得。

ラヴェルの曲は学生時代に「道化師の朝の歌」を弾いたのですが、あれも難易度はかなり高かったと思います。

なのになぜか惹かれるラヴェル!

やっぱりラヴェルは良い

今回のリサイタルの曲目決定において、最初に決めたのは「水の戯れ」を弾くということでした。

先ほども書いたように私は道化師の朝の歌を弾いたので、周りの学生たちが弾くこの曲は弾かなかったのです。

道化師のほうが難しいとは言われていますが、ずっとこの曲に対しての憧れがありました。

せっかくなら、どうしても弾いてみたかった水の戯れを弾きたい。

その思いで、この曲を軸にコンサートを組み立てました。

本来は打楽器に近いピアノという楽器で、こんなに水飛沫の冷たさや、光を反射する眩しさ、流れる水の勢いがリアルに描けるラヴェルは天才だと思います😊

秋のリサイタルまで、この曲と向き合い楽しんでいこうと思います♪

リサイタルはこちら。木村信夫さんとのジョイントリサイタルです。

また日が近づいたら詳しくお伝えしますね♪

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